平沢進 / WORLD CELL 

平沢進 / 救済の技法

(アルバム救済の技法より)

同じアルバムに収録されている「ナーシサス次元から来た人」に似た温もりを持つ、重厚感のあるインストゥルメンタル。「ナーシサス次元から来た人」と決定的に異なるのは、その温もりに人肌が感じられないところだろうか。優しい雰囲気に包まれつつも、徐々に自分の体が朽ちていく様を見せつけられるような、不思議な感覚を覚える。そのうち高音旋律の一部と化している平沢進の歌声と女性の歌声(のような高音)が交互に姿をあらわす。どちらかというと平沢進の歌声が不安をあおるので女性の歌声が顔を覗かせた瞬間、安堵を思わせる色が景色に溶け込んでくる。この瞬間が最高に心地よい。アルバム最後を飾るにふさわしい。

★★★★★